①種:和牛
②頭数:成牛30頭 子牛10頭
③電気:無し(ガスも無し)
④水道:無し。井戸(4-5mの深井戸、家の隣)あり。水を夫婦二人で汲んで運んだ(両腕にバケツを持って)。
⑤エサ:藁や草(自給自足プラス購入、よそから集めて)配合飼料(購入)
⑥当時のエサやり(通った)頻度:許可証を利用して度々通っていた
⑦震災当時の状況把握:テレビがダメになったものの、ある程度の状況把握はできていた(原発から10km付近)
⑧放牧:農地は1町2反歩(田6反、畑6反)。牛は家の敷地内の牛舎にいた。放牧経験なし。
⑨牛の移動:家畜車使用可能。はまこやまさこといった名前が牛たち一頭一頭に全部ついてた。名前を呼ぶと着いて来た。
⑩金言:「井戸があった方がいい。」「一番困るのは水。餌があったのも大きい。」
富岡町に残った半谷さん夫婦。電気が止まっているため、牛に水があげられない。そのため井戸から水を汲んだ。年がら年中喧嘩しながらも、朝晩120杯ずつ、1日でバケツで240杯汲んで牛のもとへ運んだ。
そんな半谷さんの大切にしていること、それは「たまげない心」であった。
インタビュー対象者:半谷夫婦
日付:2020/11/5 15:22~18:00頃
場所:福島県富岡町大塚
旦那さん:昭和8年5月14日生まれ。87歳。
奥さん:昭和24年12月28日。
谷さん::いや〜お元気ですね。
旦那さん:生きてるうちは元気にしねど。みんないねど。後輩も同級も。ここは大塚。元は宮之原。近くのやつも俺が帰ってくるから帰って来たんだ。調子が同じだから。若い人はいねーげどな。
※【コニシ感想】「若い人はいない。」さらっと述べられた言葉であったが、若者である私には深くのしかかる何かがあった。
谷さん:お二人も若いですよ。(一同笑い)声もはっきりしてますし。
奥さん:こんなになってもくよくよしてもしょうがねんべ。車3台ももってんべそこに。セレナな。乗られんのがって言われっけどうるせってな(笑)
谷さん:トラクター3台あるけど乗れるの?

旦那さん:のれっぺした!(少しキレ気味)全部乗れるよ。んだってトラクターなかったら草ボーボーでしょ。猪来てしょうがねっぺね。だから自分の体は自分で管理すんだ。みんなにいうんだ。俺87で一番おっきいがら、元気いいべ、声もでかいしだからみんな、はー。って納得するんだ。
※【コニシ感想】些か声を荒げたようにも見受けられた半谷さんからは、この界隈で今までやってきたという気概、そしてプライドが感じられた。
旦那さん:今グランドゴルフやってんだ。同級のやつにそんなのやらねって言ってんだけど、迎えにくるんだ。それで連れでかれるんだけど、楽しいよ。半谷さんは元気いいですねってあっはっはっはっは!若い奴なんか順番もわがんねくなるんだよ。次何番だって俺が仕切ってるんだ。まず、元気だけが取り柄だ。ワハハハハッは。
※【コニシ感想】顔馴染みの方が迎えに来て、共にグランドゴルフを楽しむ関係性に私は思わず羨望のまなざしを向けてしまった。私には73歳の祖父がいる。8年ほど前に祖母に先立たれてからは家に独り引きこもってしまっている。祖父が住む地域の公園でもグランドゴルフはしょっちゅう行われている。だが祖父はその輪の中に入ろうとはしない。
地域住民らと共にグランドゴルフを楽しめる関係性。おそらく富岡町の土地柄がそうさせているのだろう。当たり前に見られる光景では決してなかろう。
谷さん:若い時は何やっていたんですか?
旦那さん:大工やってだ。家作るんだわい。親父も大工だべ(笑)牛もやってな。
谷さん:農地はどのくらいですか?
旦那さん:6たん。畑も6たんある。1ちょう2たんぶある。だからトラクター3台いるんだ。刈るのと、耕すのと、運ぶの。いちいち外してらんねべ。そして30頭。避難しねで喧嘩してだワイ(笑)

奥さん:電気こねがら水あげらんねべ。だからお父さんが水汲んで、私が運んで。腰痛いし年がら年中喧嘩だったわい。まだかまだかって、そんな言ったってしょうがねっぺな。朝晩な容赦なかったな。警察とか役場の人きても追い払ってたんだ(笑)みな二人でやってたんだ。周りなんて誰もいねえ。電気ないからご飯でも何でも袴でたいてあれしたんだな食わないわけいかないもんだからそっちの方が良かったよなぁ勉強になって。いつも元気でやってたからさはかまなんて炊いたことねーだからさ。最初さこがしてしまってさぷくぷくってなったら弱くするんだってそしたらお父さんに何やってんだって怒られちまったんだ。
谷さん:お父さんは炊き方知ってたんですか?
旦那さん:もちろん。親父は兵隊でフィリピンでなくなったさ。母親は働いてるし、俺は百姓で手間取りだ。学校上がったばっかりやってたそ。だから何でもできるんだ。
奥さん:だからこうなって結構勉強になったな。だから大玉にいた時もね、お父さんがみんないだ時よりも先に帰るってことで。牛おいでったから。避難する時に松村にお願いしたんだけど、トラクター動かされねから、だから帰ってきた。松村は一回きたら帰んねでここに1、2週間は泊まっていくんだ。食料も2週間分買って、電気通ってから冷蔵庫に入れて。それでテレビも見れんだ。そしたら警察がくるんだ。反射するんだべな。電気も早く通ったな。
谷さん:いつ頃帰ってきたんですか?
旦那さん:解除の2年前だ(2015)。それで電気使ってっから泥棒だと思ってきたんだ。なんだってって(笑)町長はこういう人間だって知ってっから、役場では言わねんだ。だから俺は良かったんだ。そしたら消防署きたんだ。半谷さん危険だから避難しましょって。んだけど産まれた子牛なんておいでいがんねってことで、何こら火つけで燃やしたろかってかっつけでやったら、たまげで帰ったは(笑)そんなことしないでくれって。
※【コニシ感想】消防署の方はおそらく町長さんと違って、半谷さんの人となりを知らなかったのであろう。80も過ぎたおじいちゃんから「何こら火つけで燃やしたろかっ」なんて言葉がポーンと飛び出たらたまげないはずがない。腰を抜かす。

奥さん:消防署もわかりましたって言って、いちお何かあったら連絡してくれってことで電話番号おいていってくれたな。
旦那さん:30匹の牛だと。放射なんて東電にいだからわかってんだ。今も太陽から来てんだからこんなところの放射能なんてたまげね。ほんでやろめら避難しろって、4/29までいだわい。
奥さん:ベルギーの方が来て、いわきの旅館からここに1週間通ったんだ。1週間も案内したど。疲れるよ。お墓も畑も撮るって言って、お母さん待ってって何回も言われたんだ。んでね、その1人なくなったんだ。ベルギーで電車のテロあったんだよ。そして1年くらいしたら奥さんここに来たど。奥さんは日本人だったんだ。写真とか撮って行ったど。立派な人だった。
※【コニシ感想】2017年3月11日に公開されたドキュメンタリー映画『残されし大地』は福島の方々にとってはかけがえのないもののようだ。
ベルギー出身の監督ジル・ローラン氏が原発事故後、避難指示解除準備区域に指定された双葉郡富岡町の自宅に住み続ける男性の日常を描いた初監督作にして遺作。
安久津:凄いいろんな人来てるんですね。
奥さん:4月にも来たんですけど、コロナで私は逃げた。だってあん時東京酷いんだもの。危ないからやばいやばいって言って。毎年くるんだ。女の人。桜とか撮っていくんだ。毎年来るんだど。
旦那さん:俺も逃げたよ。たまげたよ。死にたくないもん(笑)まだ原発のあれよりコロナの方が酷いもんお前。田舎は大丈夫だけど。空気も良いべし、ただ富岡で1人も出てないからいやだよ(笑)
谷さん:避難先の自治体は大玉村だけですか?
旦那さん:そうだな。そこだけだな。俺が一番最後で一番最初だもん(笑)
奥さん:ここで色んなの食ったな鮎も食ったし何でも食ったな(笑)この際やし何でも食っちゃえって。3月だべ。玉ねぎとか全部牛食ったは。じゃがいもこんなに大きくなって。大玉にじゃがいも持ってたらいらねって(笑)鮎をな唐揚げにして食ったな。いや美味しかったな。
旦那さん:なんもたまげたことね。ただ昔の生活に戻っただけだ。
※【コニシ感想】「昔の生活」、御年87歳が放つ言葉は重みが違う。歴史の重み、苦悩の重み、時代の重み、すべての重みが一挙にしてのしかかる。
谷さん:火はどうしたんですか?
旦那さん:ガスコンロよ。あれ簡単だな。ガスも新聞もうちが一番早かったな。何でも早い(笑)電気も、町長が知ってんだ。いいがらいいがらあの人はって感じだから。そんで敬老会で半谷さんが一番早いんだなってもう有名だ。

谷さん:皆さんも嬉しかったと思いますよ。帰ってきてくれて。
奥さん:お父さんが、だって解除する前にあそこにいたら病気なるって言ってトラックに荷物つけて早速帰ってきたんだ。
旦那さん:俺は牛の許可もらってたから、少しずつ来てたは。そしてここに泊まって、電気なくてもろうそくあったから。朝288で許可書出すべ。『何だって拘束かかってない』なんて言われるけど、『ここでもらったからいいべ』なんて言ったら、『じゃあいい』なんて言われて通してもらって、そして2日くらい泊まっていくと『何だこれ拘束かかってないダメだ』って言われると『今朝通して今ダメなんて話ないべちぇ』なんていうと野郎たまげて役場に電話するんだ。他から来た人だなあれは。そしてやり合ってたら、バスから偉い人が降りてきて通せ通せって言われたは(笑)
よその人だからここら辺のことはわかんないんだ。だから喧嘩ばっかりしてんだ(笑)わかる人通せって。下っ端は真面目だから。余裕がねーんだな。ここにいた時はびっくりした。テレビ見ている時にガラスをトントントンなんて誰かきて、カーテンガラッと開けて何だいって言ったら、『ここの人ですか?』って『ここの人だけどいちゃいけないのかい』って。きっとな泥棒だと思ったんだろな。証明書ありますか?って言われて免許証出したら、そうですかって確認すんだ。だってあの時泥棒多かったんだよ。着物盗まれたって。古い着物はいい値段するんだって。1着50万もするんだってよ。昔の人は良い着物着てたもんな。うちらここにでんとしていたから。
※【コニシ感想】なにも美談ばかりではない。草木が生い茂り、人がいなくなったことで窃盗が多発した。その多くが震災の混乱に乗じた犯罪と考えられており、主に停電や避難により無人となった民家や商店などが被害にあった。
群を抜いて深刻だったのは、原発事故により避難を余儀なくされている地域の被害。このような状況に対応するため、富岡町のようにパトロールや防犯活動の強化などを独自に取り組んでいる地域もあった。
牛の水やりは朝晩120杯ずつ運んだよ。1日でバケツで240杯だ。ほんでよその牛も来て、酷かったんだよ。餌が欲しいから。30頭いたけど避難する前に全部離したんだ。そしたら、水飲みたいから水路にはまってんだ。縄でひっかけても勢い強いから手が焼けるんだ。それで電話番号くれた消防署に電話して、来てくれたんだ。そして、網被せてみんなでかついたんだ。
※【コニシ感想】※半谷夫妻は超人。農家さんは超人。牛の1日の飲水量:80~100ℓ
谷さん:よく助けられましたね。
奥さん:だって我が牛だもん。だってそういう投げことはしない。牛で世話になったんだもん。
旦那さん:みんな牛おいでったべ、柵もやぶって、飲まず食わずで全部死んでだ。首ぶら下がって。逃したやつもいんだ。ほんでその牛が来たー。餌とか水とか欲しいからだべ。みんな逃げてるからだべ。道路牛歩いてんだ。そして帰ってきたら猪凄かった。3匹くらい子連れで。草なんてボーボーで田んぼか畑かわからなかったぞ。

そこに井戸あっぺ。朝晩だぞ。両手でかついで水運んだんだ。水飲ませねど可哀想だべ。自分の牛だからみんな殺すって言ってっけど、殺さねって言ってたんだ。
※【コニシ感想】震災で多くの森林が被災したことで、餌を求める動物の行動域が広がり、イノシシをはじめとする野生鳥獣が多く見られるようになったのだろう。
震災はなにも人間だけが被害にあったわけではない。動物たちも同様住むところを奪われたのだ。
奥さん:大玉に4年はいだんだ。お父さんは何でこんな箱にいなきゃいけねんだって怒ってんだ。4畳半2つだど。風呂場なんか狭くて人間が入るところじゃないって言ってんだ。夏は暑いし。冬は雪積もって扉が雪で引っかかって開かないんだ。だから許可書取ってたからうちには帰ってたな。こんな所住む所じゃないって。
※【コニシ感想】「人間の住むところじゃない」、劣悪な避難先の環境を物語る言葉だ。日本では毎年のように大きな地震や土砂災害が起きる。その一方で被災者が生活する避難所は劣悪なまま。変容には変容を。
谷さん:餌はどうしてたんですか?
旦那さん:配合飼料買ってだ。粗飼料は藁と草が1ヶ月か2ヶ月持つわい。ほんで無くなったから畜産組合に行って勝手に持ってきたは(笑)誰も持っていがねがら。100体くらい持ってきた。1つ20キロだ。
谷さん:良く運べましたね。
旦那さん:当たり前だ。昔は60キロたがってだ。今だって30キロの米運ぶ。
だけど、大玉に避難したら血圧上がって今薬飲んでだ。それまで飲んでなかったんだ。体調崩して死んだやついっぱいいだ。だって、牛は365日欠かさず世話するから毎日運動だ。去年賠償金来た。(上手く聞き取れなかった)180万円出だ。他の奴は税金納めだって。言えねんだよな。

奥さん:うちは井戸があったから何とか生かせた。今は便利な世の中だから電気ないど何もできねべ。ろうそく生活してたから、夜は早く寝て朝日が登ったら起きるっていう生活してだな。4ヶ月くらい。他は牛の骨が凄いっつってだ。ろくに餌もあげれねし。100頭ばかり骨だらけってだ。子も生まれるし。今もあっぺな。片つけようがない。
谷さん:松村さんとは知り合いだったんですか?
旦那さん:こうなって知り合ったんだ。松村と俺しかいないから来たんだ。松村は軽トラに餌つんで猫から犬に餌巻いてたんだ。だからベルギーとかあっちのほうさ招待させられで、表彰されたんだ。それで、たまたまここに来たんだ。そうこうしている内に、ベルギーにいく金どないすんだって言ったら、全部用意してくれんだって話で、通訳もいるから英語も大丈夫だなんて、野郎4、5回行ったべ。そっから、ベルギーの奴らが通訳連れて慣れちゃって、『お母さんまた来た』なんてまた来るんだ(笑)。通訳何回か変わってだな。
谷さん:牛に名前はつけましたか?
奥さん:名前つけでだ。はまことか色々。名前呼ぶと来てだよ。親死んだ子牛が乳飲めないから哺乳瓶でかまずとあげてたんだ。そしたら、親だと思ってっから台所まで来たんだよ。背中突かれるから誰だべって振り向いたら子牛何だもん。あの子は可愛かったよ。人と同じだ。情がある。男の子だったから売っちゃったけど、女の子だったら売らねで置いていたな。
谷さん:牛はいつ頃始めたんですか?
旦那さん:最初は乳牛やってたんだ。
谷さん:いつから和牛に変えたんですか?
旦那さん:俺の時に和牛に変えたんだ。最初は馬だったんだ。流れは馬、乳牛、和牛だ。
谷さん:大変だったことは?
旦那さん:牛やってっと、365日休みなし。旅行さいくべってなっても、牛置いていくわけにはいかないべ。家内はハワイに行ったんだけど、俺はいがね。
奥さん:だから、今回は大玉に避難して旅行にいくべってなって旅行が始まったんだよ。私は今のところ幸せだったよ。こうなったから。みんなはさ、どう思っているかわからないけれど、牛はいないし旅行はできるし、よかったなって思っているよ。自分で。みんなはわからないけれど、こういう状態になったから。
旦那さん:みんなも同じだべ。仕事はねーべし。

奥さん:親戚から何で逃げないのって言われたけど、お父さんを1人置いていくわけにはいかないから良いんだって言ってたんだ。甥っ子が原発に人を送る仕事していたから、行き来が自由だったの。だから食料も買ってきてもらって、そういう人がいたからここにいれたの。お父さんは5月生まれだから、免許の書きかえで1回中通りに行ったな。松村さんもずっといたから。松村さんの所に安倍総理大臣の奥さんもきたらしいよ。壁にちゃんとサインも書いてあるらしいよ。ヒーローだって。だから何だかんだ、私たちも富岡で有名な人なんじゃないの(笑)外国の方も来るし。でも楽しかったよな。お土産のベルギーのチョコレートはうまがったな。おら初めて食った。あんなうまいもの世の中にあんだね。
谷さん:こういう状況になって、どういうことが大切だと思いました?
旦那さん:やっぱりたまげない心だべな。放射能もたまげなかった。何でも食ったからマンネリ化して、それで医者に『半谷さんいつも元気だな』って言うと、『放射能食ってっから元気なんだ』っていつも笑ってる(爆笑)先生も笑ってる。同級の奴は家族に捨てられだは。娘に金だけ持っていかれで、郡山に置いていがれだど。酷い話だよな。若いのは年寄りのこといらねど。若い人同士でやってくべ。ここら辺も全然いないど。
※【コニシ感想】たまげない心、確かに大切だ。だがそれは色々な苦悩を乗り越えてこられた半谷さんだからこそ言える言葉であろう。
ちなみに「たまげる」は漢字で「魂消る」と表記する。「こりゃたまげた」「あらたまげた」と言ってばかりいると、魂が消えてしまう。半谷さんの魂がメラメラと燃えているのは「たまげない心」を大切にしているからか。

(〜猪が来て荒らされた話〜)
(〜アライグマが家の中に入ってきた話〜)
旦那さん:御先祖様が汗水流して守った土地をみんないらねって。ここら辺の若い人は金もらってっから働かないんだ。働くのが馬鹿馬鹿しいんだな。だから良いのか悪いんだが。東電から賠償金もらった時、みんな東電に食ってかかるんだ。何語ってんだって。(感情がこもってあまり聞き取れない)みんな10万もらって、年金ももらって金あるんだ。みんな同じだ。
奥さん:だって大玉行ったって、みんな新車だ。大玉に避難した時に大玉の人に良いわな住んでてご飯食べれてって言わっちゃぞおら。そして1人2台から3台ずつ持ってんだ。ほんとだよ。
旦那さん:だからみんなに言ったんだい。みんな良いもんだって言うけど、あっちゃ行ってみろって。猪はいっぺし、家はボロボロだし、草はボーボーだし、それ見てそんなこと言われっかって。わかんねがら、結局ひがみだべな。鶏はネズミに食われて、牛は100頭ばり骨になって地獄だぞ。それをよその人は知らないから。こっち来て見てみろって。どんな暮らししてるか。
谷さん:若い人に何か言いたいですか?
旦那さん:今は田舎に移住しろってなってっぺ。川内とかも移住しろってやってっぺな。今はコロナで解雇される人多いげど、田舎に来たらなんぼでも仕事あっぺって。都会の人は飲み会でビール飲んで女の人も飲んでるよな、たまげだ。でも飲み会に金使って結局たまる金なんて一緒だって。しかも狭いところに住んで。いがらし広道ってのがいるんだけど、何でもやってんだ。漁業組合の会長から玉ねぎもやってるし田んぼもしてる。和の力でできるところまでするってやってんだ。そいつが、引っ張っていくんだ。ゲートボールの誘いのハガキも行かないように送ったら、朝きて『ほら行くだ』って。いがねって行っても『いいから行くだ』って、結局押されて行くんだ。ゲートボールに行っても『ただ振って打てば良いだけだ』って。最終的に楽しくなって、今も行ってるんだ。この土地には引っ張って行く人が必要だな。
※【コニシ感想】引っ張っていける人は非常に必要である。特に地域コミュニティにおいては。
奥さん:タンクの水で金欲しいから騒いでっぺ。ちゃんと調べて放射能入ってないし、いずれ流れるんだから流せば良いってな。風評被害で騒いでいるけど、その代わり金やれば良いって思うんだけどな私は。
(仮設住宅の写真などを見せてもらう)
谷さん・安久津:お話ありがとうございました。
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